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『ブラック・スワン』

あー疲れた。久々にこんな張り詰めた映画を見た(笑)
ナタリー・ポートマンの不安な顔のどアップと大音響で響く白鳥の湖の音楽が、観終わってしばらくは余韻として残る・・・。

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「白鳥の湖」の主役に抜擢されたバレリーナ(ナタリー)。大役への緊張、ライバルの出現、母親からの呪縛など、精神的な圧力を受けてだんだん不安定になっていき、やがて幻覚まで見るように・・・。
芸術家というのは繊細だからこそ皆を感動させるものを生み出せるのだろうけど、繊細ゆえに壊れやすいというか、一歩間違えると狂気と紙一重の部分もあるかもしれない。登場から不安げなヒロインが、本番が近づくにつれてどんどん狂っていく様子がホラー映画なみに怖い。精神的な怖さはもちろんのこと、思わず顔を背けたくなるような痛そうな描写なんかも出てきたりして、観ているこちらまで思わず「ウィィィ~」って声が出そうに・・・(笑) ささくれのシーン、あれヤバい。

アカデミー賞の授賞式では妊娠中でふっくらしていたナタリーだけど、劇中ではバレリーナ役ということもあり、折れそうなくらい細い。もともと痩せてるのに、さらに9キロ減量したとか。主演女優賞をとっただけに、ナタリーのための映画という感じで、最初から最後まで彼女が出ずっぱり。しかも登場シーン全て張り詰めた表情という、演技とはいえホントに滅入ってしまうのでは?と心配になるほど。でも、バレエシーンも含めてとにかくとっても美しかった。クライマックスの、ホワイトスワンからブラックスワンへの豹変もお見事。

全盛期を過ぎて今は日陰の存在の先輩バレリーナ役でウィノナ・ライダーが出ていた。すっかり退廃してしまった元花形プリマの姿がなんだか現実の彼女と重なって切ない気分になったりして・・・。

公式サイト

「ブラック・スワン」 Black Swan (10年/アメリカ)
監督=ダーレン・アロノフスキー
出演=ナタリー・ポートマン ヴァンサン・カッセル ミラ・クニス バーバラ・ハーシー ウィノナ・ライダー
by pandarin_0728 | 2011-05-12 12:34 | DVD・映画鑑賞記
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