ピアニストを夢見る少女メラニーはコンセルバトワールの試験を受けるが、演奏中に人気ピアニストで審査員のアリアーヌが取った配慮のない態度に集中力を乱されてしまう。試験に失敗したメラニーは、無残にもピアニストの夢を断たれてしまう。十数年後、成長した彼女はアリアーヌに接近する機会を得て…。
初めはアリアーヌの息子の子守として雇われたメラニー。楽譜が読めることがアリアーヌに知れると、演奏中に楽譜をめくる「譜めくり」の仕事を頼まれるようになる。 メラニーがアリアーヌに恨みを抱いて近づいたことは明らか。しかし、一体どんな復讐を企てているのだろうか。大切なコンサートで楽譜をわざと間違えてめくって、アリアーヌに恥をかかせるのが目的?なんて思っていたが、そういう単純なことではないらしい。無表情のメラニーからは、その胸の内を読み取ることは出来ない。彼女の一挙一動に息を飲み、緊張感が高まる。 譜めくり役としてアリアーヌを支えるうちに、彼女と心を通わせ信頼関係を深めていくような気配もあったのだが…。それも全てメラニーの作戦のうち。彼女は少女の頃の恨みを最後まで忘れていなかった!じわじわと決行される復讐劇。静かな恐ろしさがあった。 メラニーを演じるデボラ・フランソワの美しくも冷たい風貌がサスペンスをさらに盛り上げている。若いのにサスペンスが似合うなんてタダ者じゃないかも。彼女はダルデンヌ兄弟の「ある子供」で十代の母を演じていたあの子。アリアーヌ役のカトリーヌ・フロは「奥さまは名探偵」や「地上5センチの恋心」などで陽気な奥様というイメージが強いし、実際そういう役の方が似合うと思う。今回ばかりは若いデボラに喰われてしまったかんじ。 公式サイト 「譜めくりの女」 La Tourneuse de Pages (06年/フランス) 監督・脚本=ドゥニ・デルクール 出演=カトリーヌ・フロ デボラ・フランソワ パスカル・グレゴリー
by pandarin_0728
| 2008-12-15 22:13
| DVD・映画鑑賞記
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