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『ベティの小さな秘密』

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両親は口論ばかり、仲の良かった姉は寄宿学校へ。10歳のベティは不安と寂しさを募らせる毎日を送っていた。そんなある日、彼女は草陰で震えている青年を見つける。青年はイヴォンといい、ベティの父が院長を務める精神病院から逃げ出した患者だった。ベティはイヴォンを納屋でこっそりかくまってやるが…。原作はゴダール映画で知られたアンヌ・ヴィアゼムスキー。

10歳の少女の小さな冒険物語。純粋で多感なベティ。日常の驚いた表情、怯えた表情、悲しみの表情、喜びの表情。一つ一つの彼女の表情をカメラはアップでみずみずしく映し出す。大人になったら見過ごしてしまいそうな些細な出来事も、子供はしっかりと見逃さずに向き合っていく。ベティの冒険は家の近所というとても狭い範囲で起きるけど、10歳の少女にとってはそれらは人生の一大事。彼女の気持ちに寄り添っていくうちに、忘れかけていた子供の頃の恐怖心や不安感を思い出した。幽霊や暗闇、不思議な扉や耳に入った大人の会話…。可愛らしさを前面に押し出すのではなく、ある種冷めた視点で子供の不安感を描いたところが新鮮だった。

精神病院から逃げ出した無垢な青年・イヴォンを納屋にかくまい、食事を運んで甲斐甲斐しく世話を焼くベティは子供ながらに完全に女(母性)を感じさせたなぁ。ベティ役のアルバ=ガイアちゃんの潤んだ大きな瞳が何よりも印象的。1960年代が舞台なので、ベティのファッションや自転車も懐かしくてキュート。レトロな鍵を小さな手でグルッと廻すその仕草もたまらなくいとおしい。

公式サイト

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「ベティの小さな秘密」 Je m’appelle Elizabeth. (06年/フランス)
監督・脚本=ジャン=ピエール・アメリス 脚本=ギヨーム・ローラン
出演=アルバ=ガイア・クラゲード・ベルージ ステファヌ・フレイス ヨランド・モロー マリア・ド・メデイルシュ
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by pandarin_0728 | 2009-05-17 20:12 | DVD・映画鑑賞記
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