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『サンシャイン・クリーニング』

『サンシャイン・クリーニング』_a0021956_2157222.jpg「リトル・ミス・サンシャイン」の製作チームが再び結集。人生に行き詰まっている姉妹がひょんなことから、変わった「清掃業」を始める物語。

高校時代は花形チアリーダーだった姉のローズ(エイミー・アダムス)は、今や8歳の息子を抱えるシングルマザー。妹のノラ(エミリー・ブラント)は実家に寄生する無職のグータラ娘。そんな2人が高額な報酬につられて始めたのは、なんと事件現場専門の清掃業だった。殺人・自殺などの現場に行き、その後始末をするというもの。映画「フェティッシュ」でもヒロインがしていたアレである…。

いくら報酬は良いからとはいっても、そこは凄惨な事件現場。死体そのものは片付けられた後ではあるが、べったりと残る血痕・悪臭、想像以上の生々しい現場なのだ。ぎゃあぎゃあと取り乱しながらも、何だかんだでしっかり仕事をやり遂げる姉妹、意外に度胸が据わっている…(苦笑)
全くの素人だった彼女達だが、特殊清掃に必要な道具を買いそろえ、少しずつノウハウを覚えていく。
仕事内容はキワドイけれど、だんだんとプロらしくなっていく2人に何だかワクワクしてしまう。

『サンシャイン・クリーニング』_a0021956_2158297.jpg

死にまつわる現場を通して、死者の遺した形跡や遺族の気持ちに触れ、2人の心にも変化が。久しぶりに再会した同級生に自分の仕事について目を輝かせて語るローズ。それまで自分のことを「負け犬」と呼んでいた彼女とは別人のよう。自分の仕事に対する自信や誇りは人を輝かすのだなぁ…。演じるエイミー・アダムスがとても良かった。仕事に育児に髪を振り乱しながらの毎日でも、全力で頑張る彼女は凛として美しく、そしてとてもたくましい。彼女は声がとても可愛らしくて素敵なんだよね~。妹ノラ役のエミリー・ブラントも好演だった。パンクな見た目と言動に反して、人知れず母親に関するトラウマに苦しむ繊細な女性。捨てられなかった遺品にノラの優しさが現れていたと思う。

ローズの無邪気な息子オスカー君や、ちょっぴり風変わりなお父さん(アラン・アーキン)の存在も大きかったな。孫とお祖父ちゃんの掛け合いが楽しい!「リトル・ミス・サンシャイン」でもお祖父ちゃん役を演じたアーキンだから、ついつい「リトル~」のおデブ少女オリーブちゃんとのやり取りを思い出してしまう。片腕のナイスガイ(クリフトン・コリンズ・Jr)も素敵だったなぁ。

タイトルが「リトル・ミス~」の二番煎じのような印象を受けちゃいそうだけど、いやいやこちらも負けずに素敵な作品だった。小粒ながら見終わって前向きな気持ちにさせてくれる。

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公式サイト

「サンシャイン・クリーニング」 Sunshine Cleaning (09年/アメリカ)
監督=クリスティン・ジェフズ 脚本=ミーガン・ホリー
出演=エイミー・アダムス エミリー・ブラント アラン・アーキン スティーブ・ザーン クリフトン・コリンズ・Jr
by pandarin_0728 | 2009-07-02 22:10 | DVD・映画鑑賞記
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