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最近読んだ本(2010年9月)

ようやく涼しくなりましたね。数日前までの残暑が嘘のよう。
あれだけ残暑にうんざりしていたのに、いざ涼しくなると暑さが懐かしい。
というか、秋のほどよい涼しさをすっ飛ばして一気に寒くなっちゃったようで、なんか悔しいです。
今月は映画をあまり見てないし、読書も大して進まなかったなぁ。取り立てて忙しかったわけでもないのに・・・。
映画で印象に残ったのは、テオ・アンゲロプロスの「霧の中の風景」。
1ヶ月ほど前にNHKBSで録画したものを、昨日ようやく見たんですが、あまりにも哀しくて美しくて・・・。
感想まとめたいけど、なんか難しくて自信ないです(笑) ついでに「旅芸人の記録」も放送してくれないかな。


とりあえず、今月読んだ本を・・・


最近読んだ本(2010年9月)_a0021956_21534419.jpg「ヘヴン」 川上未映子

斜視が原因でいじめを受けている14歳の「僕」と、不潔と皆から言われていじめられている女子「コジマ」の物語。「僕」が自殺について考える場面で、ふと自分自身が子供の頃に抱いていた死への恐怖を思い出した。あの漠然としているようでどこかリアルな恐怖というのは今でも鮮明に覚えている。大人になり年を取って、あの頃より確実に死に近づいているにも関わらず、死ぬことへの恐怖心は今とは比べ物にならないほど大きかったのだ。
酷い「いじめ」の描写があって暗い物語だけど、不思議と重いとは感じなかった。それはどこか現実味のない、遠いところで起きているようなイメージを受けたから。「僕」や「コジマ」の複雑な家庭環境も垣間見れるが、そこに生身の生活感はほとんど漂っていない。もちろん悪い意味ではなく、むしろ普遍性のようなものを感じた。コジマの造語「うれぱみん」が可愛かった。


最近読んだ本(2010年9月)_a0021956_21534652.jpg「小暮写眞館」 宮部みゆき

宮部作品では「火車」や「理由」のようなミステリが好きだけど、最新作は高校生の男子が主役の青春小説。しかも700ページ超の分厚さ。高校生が主役というだけあって爽やかなタッチだが、登場人物がそれぞれに抱えるモノは実は結構深刻だし切なかったりする。主人公の花ちゃん一家と親族との亀裂は妙に生々しい描写。読んでいてヒリヒリしてくる。
表紙にある電車の風景はどこかで登場するのかな?と思いながら忘れた頃にラストで・・・。読み終えた本をひっくり返して表紙を広げ、その写真を眺めては読後感に浸った。


最近読んだ本(2010年9月)_a0021956_21534513.jpg「着ればわかる!」 酒井順子

セーラー服、陸上自衛隊、巫女、タカラジェンヌ、ゴスロリなどなど、著者が様々な制服や衣装(全18着)を着てみた体験エッセイ。世の中いろんな制服や衣装があるもんだなぁ。客室乗務員やバスガイドはお約束といった感じだが、中には養蜂家なんてマニアックな扮装まで。茶摘み娘ファッションへのエロ目線な分析が何とも・・・(笑)
いずれにしても職業上着用する制服ってのは、やはり着るだけで心もパリっとするものらしい。それだけ制服の持つチカラというのは凄いのだ。制服を着る職業がちょっとうらやましくなる。私の制服遍歴なんか、中学・高校の地味な紺ブレザーと、学生時代にバイトした旅行会社の制服ぐらいだもんな。この旅行会社の制服というのが結構おしゃれだったので、着るとテンションがあがったけど。といっても、平凡といえば平凡。一度はレアな感じの扮装をしてみたいかも。例えば修道女とかどうでしょう。あれ、顔が半分ぐらい隠れるしイケそうなんだけど・・・。


最近読んだ本(2010年9月)_a0021956_21534567.jpg「きな子日和」 丸亀警察犬訓練所

警察犬試験に6度も失敗しながらも健気に挑戦し続けるきな子。数年前にテレビで知って、そのズッコケキャラに釘付けに!そんな愛嬌たっぷりのきな子の写真集。映画も出来たみたいだし、その公開に合わせての出版なのかな。文字もちょっと載ってて、訓練士さんときな子の絆が伺い知れる。あと、子供の頃ウチで飼っていた犬のジョン、雑種だしオス犬だったけど、顔も毛色もきな子にちょっと似ていて懐かしくなった。
by pandarin_0728 | 2010-09-27 22:11 | 読書
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