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最近読んだ本(2011年6月)


宮部みゆきの「火車」が韓国で映画化
らしい。
舞台を韓国に移して・・・となるとどうアレンジされるのか?
原作は文句なしに傑作だったけれど。



a0021956_13103567.jpg「こちらあみ子」 今村夏子

発売当時気になりつつも読まずじまい。先日、三島由紀夫賞受賞のニュースを聞き思い出して読んでみた。どこか懐かしいような、透き通った空気感が素敵な作品だった。「あみ子」というちょっと(いや、かなり)変わった少女が主役の物語。あみ子は頭のネジの外れちゃったような女の子なんだけどなんか憎めない。彼女を通して見た父や母、兄、初恋の男の子。ネジがいかれたあみ子目線で描かれているので、彼らの人物像が完全な形で浮き上がるわけじゃなくて、断片的にしか分からない。逆にそれがそれぞれの登場人物にミステリアスな印象を与えて興味がわく。あみ子を中心とした登場人物たちの会話が短くて簡潔なのにすごく魅力がある。どこか西の方言だと思うんだけど(著者の出身地は広島だから広島弁?)、これがまたリズム良くて。なんとなーく以前読んだ「ヘヴン」(川上未映子)や「きことわ」(朝吹真理子)を思い出したが、私は「あみ子」が一番好きだな。一緒に収録されてる短編「ピクニック」、これまた変わったお話だったなぁ。


a0021956_1310848.jpg「ある少女にまつわる殺人の告白」 佐藤青南

本年度「このミス」大賞の優秀賞受賞作。タイトルに「告白」とある通り、「ある少女」を知る人々がインタビューに答えるという、湊かなえの「告白」と同じ形式で紐解かれる物語。養父から虐待を受けて児童相談所に保護された10歳の美少女。あれから10年後、彼女は大人の女性に成長したのだが・・・。
殺人事件と封印された真相。人々の告白によって、少女の取り巻く環境や、どこか謎めいた彼女の人物像が徐々に輪郭を現していく。自分にとっては必要な人間か不要な人間か。その残酷なまでの彼女の取捨選択には寒気がした。虐待を受けた不幸な少女が、生き伸びるために自然と身につけた術だったのだろう。「白夜行」のヒロイン雪穂に通じる恐ろしさを感じた。幼なじみの「入江君」の成れの果てはちょっと残念(笑)


a0021956_13103175.jpg「砂上のファンファーレ」 早見和真

映画にしてもドラマにしても家族モノは好きだけど、ミステリ以外でこんなストレートな家族小説を読むのは久々かも。母、長男、次男、父の順に各章それぞれの立場から見た「家族」の姿。
物忘れがひどくなり、自分の身に起きた異変に怯える母、父母の借金の事実を知り愕然とする長男、家庭崩壊の危機をマイペースながら自分なりに乗り越えようと立ち上がる弟、そしてこれまでの人生を見つめ直す父。得体のしれない体の異変に脅かされる母のパートは結構じわじわとしたホラーな怖さがあったなぁ。お先真っ暗な精神状態に追い込まれる長男のパートも、身重の妻との感情のすれ違いなんかも加わって気まずい空気。ちゃらんぽらんに見えて意外に頼もしい立ち回りを見せる次男のパートが一番勢いあったかも。父は他に比べると印象が薄いなぁ。 というか、なんだかこの小説、希望の光がチラチラ見え始めた頃から、だんだん面白さが失速する。最終章なんて、肝心なドラマの重要な場面を根こそぎ早送りしちゃったみたいな急展開で白けてしまった。長男の嫁の唐突な改心には苦笑。本の紹介ページに「もう暗い家族の話はうんざりだ!(by著者)」ってあったけど、暗い頃の描写の方により魅力を感じた私でした。


a0021956_13102859.jpg「誰でもよかった」 五十嵐貴久

なんじゃこりゃ! (笑)
ほとんどを登場人物の会話で占めているではないか。立て篭もり犯人と警察の交渉人のやり取りを中心に、ほぼ1冊会話文で成り立っている。なんだかシナリオを読んでるみたいで、小説としての面白味に欠ける。犯人の人物描写とかよく分からないままで、ドラマとしての肉付けが全然足りない。ページ数が多くて結構分厚いのに、中身は薄っぺらい。


a0021956_13101436.jpg「三陸海岸大津波」 吉村昭

40年前に書かれた吉村昭の本作が今回の震災以降ベストセラーになっているという。明治29年、昭和8年、昭和35年に三陸海岸を襲った津波について、著者自ら現地を泊まり歩いて入念に調査したルポタージュ。当時の人々の貴重な証言も収められているが、なかでも昭和8年の津波を体験した子供たちが書いた作文は特に印象的だった。幼い文章ながら、子供らしい率直な言葉で語られる津波の記憶はとても生々しい。被害地域の地名も今回の震災で何度も耳にした地名がたくさん出てきて、その被害状況が現在の姿と重なる。


a0021956_13102227.jpg「無銭ひとり散歩」 辛酸なめ子

ガイドブックには載ってない一風変わった東京散歩。
ヤンキー高校の文化祭、早朝ホストクラブ、区役所ランチ巡りなど、タウン編・グルメ編・イベント編・ショッピング編に分けて辛酸なめ子が辛口レポ。お金をかけずに楽しむがコンセプトになっている。ヤンキー高校の文化祭はちょっと見てみたいかも。もはやヤンキー学生に絡まれることを心配する年齢でなくなった今がチャンス、みたい(笑)


a0021956_13101183.jpg「図説 英国メイドの日常」 村上リコ

メイドといっても、秋葉原のメイドじゃなくて・・・本家本元の英国ヴィクトリア朝時代のメイドさんに関する本。何となく目についたので読んでみたけど、これがなかなか面白い。当時の写真や絵画、少女雑誌の挿絵などもふんだんに掲載されていて見入ってしまう。メイドを絵柄にしたレトロなポストカードが100年以上前のものとは思えないくらいポップで可愛い。若くしてメイドとして就職したうら若き乙女たち。その仕事内容をはじめ、恋愛事情やメイド服についても詳しく書かれている。メイド服に昼用(ピンク)と夜用(黒系)が決められていたとは。


a0021956_13101810.jpg「脱税秘録」 大津學

著者は国税局の元凄腕調査官で、様々な脱税の手口や摘発の裏話などを明かした本。
これを読む時のBGMはもちろん「マルサの女」のテーマソング(笑) それにしても、あるところにはあるんだなぁ~大金が。あの手この手の脱税手口にはもうビックリ。でも、巧妙に財産を隠している曲者の脱税者も、調査官に追い込まれると意外とあっさり不正を認めるものなのね。脱税者を逃がすまいと動かぬ証拠を突きつける調査官たち、その執念に感服。


a0021956_13102555.jpg「こどもの発想」 天久聖一

コロコロコミックに連載され小学生に人気を得た「コロコロバカデミー」。与えられた問題にあえて間違えてボケる、という決まりで、読者の小学生が応募した珍回答の傑作選。
当時(10年位前)の小学生たちの本気ぶりが凄い。本気のバカなのだ。ほぼ8割が下ネタなんだが、小学生時代のあの貪欲な好奇心は一体どこから来るのだろう。解答用紙にあるBの濃い鉛筆の筆跡も懐かしい~。
by pandarin_0728 | 2011-07-06 13:41 | 読書
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