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『転々』

a0021956_20485355.jpg大学八年生の文哉(オダギリジョー)は借金の返済期限が迫っていた。取立てに来た福原(三浦友和)から、桜田門まで一緒に歩けば借金はチャラにしてやる、と告げられる。文哉がその理由を尋ねると、はずみで妻を殺してしまった彼はこれから桜田門の警視庁まで自首しに行くのだという。半信半疑の文哉だが、福原について行く事にする。

「イン・ザ・プール」「亀は意外と速く泳ぐ」あたりまでチェックしていた三木聡作品。しかし、「ダメジン」がかなりのダメ映画でガッカリし、前作の「図鑑に載ってない虫」に至ってはハナっから見る気が起きなかった。本作もスルーしようと思っていたところ、予告編を見てビックリ。わが実家(千駄木)にほど近い店「愛玉子(オーギョーチィ)」が映っているではないか。ついでに散歩好きの私としては、「東京散歩ムービー」という宣伝文句にもそそられたのであった~。

車や電車に乗ってしまっては分からない。肌に直接風を感じながら歩くからこそ、見えてくるものってあるのかも。新宿の繁華街から下町の商店街、静かな神社や路地裏まで、東京のいろんな風景が収められている。ワケありで怪しげな風貌の男2人が歩いていく。ただそれだけで何となく絵になる。季節が秋というのもどこか切なくてイイ。神宮外苑の銀杏並木を2人きりで歩くシーン、人でごった返す紅葉シーズンに一体どうやって撮影したのだろう。早朝に撮ったのかな?

三木作品独特の小ネタは今回も健在。「岸部一徳ネタ」や「つむじネタ」などはワザとらしくて笑えなかったが、今回の最大の私的目玉「愛玉子」が見れただけで満足だ。中高校生の頃、友達と時折食べに行った愛玉子。ここ十数年は行っていないけれど、黄色に黒いデカ文字で書かれた「愛玉子」の看板は今もそのままで嬉しくなってしまった。ご丁寧に三浦友和とオダギリが愛玉子を食べるシーンも(下の写真)。しかし、あんなに縦に奥行きのある店内だったかな~。まさかセットじゃないだろうし。記憶はすでに曖昧…。さすがにお店のおじちゃんは出演していなかった。代わりに奥から鷲尾真知子が出てきたので笑った。

ところで、昔ここでお手洗いを借りたら、案内されたのはなんと店の奥にあるご自宅のお手洗いだった。廊下の突き当たりにお手洗いがあったのだが、たどりつく途中、開け放たれた障子の向こうにテレビを見ているお婆ちゃんが丸見えでビックリした(笑) 久々にまた訪ねてみたくなったなぁ、愛玉子。

公式サイト
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「転々」 (07年)
監督・脚本=三木聡 原作=藤田宜永
出演=オダギリジョー 三浦友和 小泉今日子 吉高由里子 岩松了 ふせえり 松重豊
by pandarin_0728 | 2008-06-14 20:57 | DVD・映画鑑賞記
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