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『ミルコのひかり』

a0021956_18215523.jpg1971年、イタリアのトスカーナ。10歳の少年ミルコは不慮の事故で両眼の視力を失ってしまう。彼は両親の元を離れて、全寮制の盲学校へ転校することになる。

人間の「五感」と呼ばれる感覚の中で、一番重要とも思える「視覚」。ミルコは10歳という若さでそれを失ってしまう。盲学校での生活に馴染めず、自分の殻に閉じこもりがちなミルコだけど、偶然見つけたテープレコーダーを使って、日常の様々な音を録音して子供ならではの物語を創作するようになる。風がざわめく音、水が滴り落ちる音、鳥のさえずり…。普段当たり前のように耳にしている音でも、目の見えない彼らにとっては貴重な情報源。その音にじっくりと耳を傾けてみると、私たちを取り巻く自然の音ってなんて素晴らしいのだろう、と改めて思った。ミルコをはじめ、創作に夢中になる生徒たちの生き生きとした表情!大声ではしゃいだり、時には喧嘩もしたり、目が不自由とはいえ目の見える子供たちと何ら違いはないのだよね。

でも、校長はそんな情操教育よりも将来電話交換手などの仕事に就くための実務的な訓練をすべき、という教育方針を持っていて、ミルコからレコーダーを取り上げてしまう。たしかに自立のためにはそういう教育が必要かもしれないけど、かといってそれだけでは子供たちの無限の可能性を奪ってしまうことになるのではないだろうか…。幸い、校長の方針に反発する一人の教師の存在がミルコたちの未来に光を与えることになるのだが。ミルコがイタリア映画界きっての音響技術者となった、という後日談(実話が元になっている)も素晴らしい。

公式サイト
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「ミルコのひかり」 Rosso Come Il Cielo (06年/イタリア)
監督=クリスティアーノ・ボルトーネ
出演=ルカ・カプリオッティ シモーネ・グッリー パオロ・サッサネッリ マルコ・コッチ
by pandarin_0728 | 2008-09-19 18:26 | DVD・映画鑑賞記
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