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『ラースと、その彼女』

試写会にて鑑賞。

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雪深い田舎町に暮らすラースは穏やかで真面目な好青年だが、長年彼女がいないために兄夫婦や町の人々は心配顔。そんなある日、ラースはインターネットで手に入れた等身大のリアルドールを「彼女」と言って皆に紹介する。

27歳の青年がビアンカちゃんと名付けたお人形を愛する…、さぞやキワモノ・コメディに?と思ったら、実はシリアスで泣かせる映画だった。ラースは人形のビアンカと共に食事をしたり、テレビを見たり、教会へ連れて行ったりと、本当の恋人のように過ごしはじめる。当然、兄夫婦や町の人々は彼を「ビョーキ」と思い医者に診せるのだが、医者の助言で彼に合わせてビアンカを生身の人間として接することに…。

普通ならラースを気味悪がって近寄らないだろう。でも、この町の人々はラースのためにすべてを受け入れてくれるのだった。もちろん露骨に嫌悪感を示す人もいたけれど、彼に近しい人々はみんなとても優しい。特に、身重の体でラースに親身に接する兄嫁と、同僚の女性マーゴの優しさには心打たれた。ボーリングシーンでのマーゴの楽しそうな表情が忘れられないなぁ。困っていると手を差し伸べずにはいられないご近所のおばさま達も素敵。「ビアンカは我々の勇気を試す存在でした」という司祭の言葉も心に残った。

孤独なラースはビアンカというお人形を通して、これまで避けてきた人と人の関わりを体験し、その温かさに触れることができたのだろう。寒いこの時期、心温まる優しい映画だった。

公式サイト

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「ラースと、その彼女」 Lars and the Real Girl (07年/アメリカ)
監督=クレイグ・ギレスピー
出演=ライアン・ゴズリング エミリー・モーティマー ポール・シュナイダー ケリ・ガーナー パトリシア・クラークソン
by pandarin_0728 | 2008-12-08 20:33 | DVD・映画鑑賞記
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