<< 『あの日の指輪を待つきみへ』 今年も >>

『レールズ&タイズ』

a0021956_1952831.jpg列車の運転士をしているトム(ケビン・ベーコン)。彼の最愛の妻メーガン(マルシア・ゲイ・ハーデン)は末期癌に侵されていた。ある日いつものように列車を運転中、目の前の線路に一台の乗用車が。母子の無理心中だった。衝突の寸前に車から脱出した11歳の息子デイビーは無事であった。事故責任を問われ休職中のトムの家に、母を失ったデイビーが一人訪ねてきて…。

女優として活躍するアリソン・イーストウッド(クリント・イーストウッドの娘)による初監督作品。かなり地味な作品で日本では劇場未公開のようだけど、とても丁寧な作りの良作だった。お父さんと同じシリアス・ヒューマン路線。

目の前で母親を失った少年と、結果的に母親を轢いてしまった運転士とその妻。奇妙で特殊な出会い方をしてしまった3人が、しだいに心を通わせお互いに尊い存在になっていく様子が静かに描かれる。

母を亡くし天涯孤独となった少年がようやく見つけた居場所。それまでトゲトゲしていた夫婦の仲も、この純粋な少年との生活で再び温かさを取り戻していく。しかし、里親の元を逃げ出した少年には行方不明者として捜索の手が伸びていた。一方で、運転士の妻の病状も刻一刻と悪くなっていた。夫婦と少年が過ごす穏やかで幸せなひととき。いずれ失われると分かっているからこそ、なお尊いものに感じられる。

余命わずかの妻を演じたマルシア・ゲイ・ハーデンの演技に魅せられた。「ミスト」では狂信的な中年女性役でこちらを震え上がらせてくれたが、今回は逆に包容力のある芯のしっかりした女性を好演。そして何より、少年役のマイルズ・ヘイザーが素晴らしかった。ちょっと垂れ目で、ふっくらしたほっぺが愛くるしいのなんの。憂いを含んだ眼差しが孤独な少年役にハマッている。ちょっとだけ「依頼人」の頃の在りし日のブラッド・レンフロを髣髴とさせる(そこまで美少年ではないけれど…)。彼がいなかったら、この映画の魅力は半減かも。

公式サイト(英語)

a0021956_19514960.jpg


「レールズ&タイズ」 Rails & Ties (07年/アメリカ)
監督=アリソン・イーストウッド
出演=ケビン・ベーコン マルシア・ゲイ・ハーデン マイルズ・ヘイザー マリン・ヒンクル 
by pandarin_0728 | 2009-01-26 19:57 | DVD・映画鑑賞記
<< 『あの日の指輪を待つきみへ』 今年も >>