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『全然大丈夫』

a0021956_20384833.jpg仕事も冴えず私生活も冴えず、30歳目前にして何とか人生変えたいと思いつつどうにも出来ない「大丈夫」じゃない人々の、それでも毎日ゆる~りと過ごす「全然大丈夫」な日々。

最近流行り(?)の脱力系ムービー。「転々」とか「ジャージの二人」とか。殺伐とした世の中ゆえ、こういう映画が求められるのかしら。

古本屋の倅の照男(荒川良々)はオカルトマニア、いつか「究極に怖いお化け屋敷を作る」という夢を抱いている植木職人助手。彼の幼馴染の久信(岡田義徳)は清掃会社に勤めるうだつの上がらぬ社員で、誰もが認める「いいひと」。久信の清掃会社のバイトに応募してきたあかり(木村佳乃)は対人恐怖症、ケタ外れに手先が不器用で何をしても失敗ばかり、趣味はチクワをかじりながら怪しげな絵を描くことという、これまた変わった娘。この同年代3人を中心にこれといった大きな事件もなく、ただひたすらにユルユルな日常が描かれていく。

散りばめられた小ネタやギャグは、ちょっぴり三木聡作品ちっく。爆笑とはいかないけど、「そりゃないだろー」とツッコミたくなるような苦笑ネタから、「あー分かる分かる」みたいな日常ネタまであって、そこそこ笑えて楽しめた。ドタバタコメディだと見ていて疲れちゃうけど、そこは絶妙な力の抜き加減。全編に流れるウクレレ音楽(エコモマイ)がこれまたゆったりのんびりでイイんだよね~。照男が店番する古本屋やあかりの木造アパートなど、昭和臭い雰囲気も良かったな。謎の放浪の旅に出てしまう照男の父(蟹江敬三)。旅先から送られてくる葉書きには笑った。

公式サイト
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「全然大丈夫」 (07年)
監督・脚本=藤田容介 
出演=荒川良々 木村佳乃 岡田義徳 田中直樹 蟹江敬三 白石加代子 根岸季衣 江口のりこ 鳥居みゆき
by pandarin_0728 | 2008-09-29 20:53 | DVD・映画鑑賞記

騒動の中、恒例の

秋場所。
大揺れの角界、この先どうなる?
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by pandarin_0728 | 2008-09-26 18:35 | おでかけ帳

『ミルコのひかり』

a0021956_18215523.jpg1971年、イタリアのトスカーナ。10歳の少年ミルコは不慮の事故で両眼の視力を失ってしまう。彼は両親の元を離れて、全寮制の盲学校へ転校することになる。

人間の「五感」と呼ばれる感覚の中で、一番重要とも思える「視覚」。ミルコは10歳という若さでそれを失ってしまう。盲学校での生活に馴染めず、自分の殻に閉じこもりがちなミルコだけど、偶然見つけたテープレコーダーを使って、日常の様々な音を録音して子供ならではの物語を創作するようになる。風がざわめく音、水が滴り落ちる音、鳥のさえずり…。普段当たり前のように耳にしている音でも、目の見えない彼らにとっては貴重な情報源。その音にじっくりと耳を傾けてみると、私たちを取り巻く自然の音ってなんて素晴らしいのだろう、と改めて思った。ミルコをはじめ、創作に夢中になる生徒たちの生き生きとした表情!大声ではしゃいだり、時には喧嘩もしたり、目が不自由とはいえ目の見える子供たちと何ら違いはないのだよね。

でも、校長はそんな情操教育よりも将来電話交換手などの仕事に就くための実務的な訓練をすべき、という教育方針を持っていて、ミルコからレコーダーを取り上げてしまう。たしかに自立のためにはそういう教育が必要かもしれないけど、かといってそれだけでは子供たちの無限の可能性を奪ってしまうことになるのではないだろうか…。幸い、校長の方針に反発する一人の教師の存在がミルコたちの未来に光を与えることになるのだが。ミルコがイタリア映画界きっての音響技術者となった、という後日談(実話が元になっている)も素晴らしい。

公式サイト
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「ミルコのひかり」 Rosso Come Il Cielo (06年/イタリア)
監督=クリスティアーノ・ボルトーネ
出演=ルカ・カプリオッティ シモーネ・グッリー パオロ・サッサネッリ マルコ・コッチ
by pandarin_0728 | 2008-09-19 18:26 | DVD・映画鑑賞記

『大人の見る繪本 生れてはみたけれど』

久々に昔の映画を。小津安二郎監督の初期(1932年製作)の無声映画。
映画が始まっても一向に音が鳴らないので、DVDプレーヤーの故障かと思ってしまった。普通たいていの無声映画には音楽ぐらいは流れるものだが、本作は音楽すら無いまるっきり無音!ホントのサイレント。果たして楽しめるだろうか…と不安がよぎったものの、すべて取り越し苦労だった。音なんて無くても、こんなに面白い映画が作れるなんて!どんなに音で溢れた映画より心に響く映画だった。

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とにかくやんちゃ兄弟の一挙一動が面白くて、画面に釘付け。顔は全然似てないのに、動きは一心同体。コミカルな動作はまるで漫才コンビのよう。弟を演じた突貫小僧(のちの青木富夫)のおどけた表情が楽しい。兄弟の父母は斉藤達雄と吉川満子。プロフィールによると、斉藤さんは183cm、吉川さんが161cmというのだから、76年前の日本人としてはかなりの「長身夫婦」である。

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兄弟は自分の父親が一番偉いと信じていたのに、ある日自分たちの級友・太郎の父親である上司にペコペコとご機嫌を取っている父の姿を見てしまい、ショックを受けてしまう。「お父ちゃんは太郎ちゃんのお父ちゃんにあんなに頭を下げて、ちっとも偉くないじゃないか」と父に詰め寄る兄弟。子供が描いた父親の姿と現実の姿のギャップ、子供の目から見た大人の世界の矛盾…。お父さんの立場も分かるだけに、なおさらやるせない。兄弟「お父ちゃんはなんで重役じゃないの?」 父「太郎ちゃんとこはお金持ちだからだよ」 兄弟「お金があったら偉いの?」 ほのぼのとした展開の中に、こんなシビアなテーマも盛り込んでしまうなんて、さすが小津監督。

一家の住むのどかな田舎町が東京の蒲田と分かった時は驚いた。家の目の前を走っている一両編成の列車はどうやら目蒲線(現在の多摩川線)らしい。76年前の貴重な東京の風景。お父さんの会社の同僚役で笠智衆が出ている(ノークレジット)。当時28歳、私が見た今まで一番若い笠さんかも。その爽やかな二枚目っぷりに驚いた。

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↑子供たちの中に、背中にこんな貼り紙を貼られている子が!(笑)

「大人の見る繪本 生れてはみたけれど」 (32年)
監督・原作=小津安二郎 
出演=斎藤達雄 吉川満子 菅原秀雄 突貫小僧 坂本武 小藤田正一
by pandarin_0728 | 2008-09-13 20:34 | DVD・映画鑑賞記

『ノーカントリー』

a0021956_1954613.jpg1980年テキサス、狩の最中に死体の山と大量のヘロイン、そして200万ドルもの大金を発見したモス(ジョシュ・ブローリン)は危険を承知で金を持ち逃げしてしまう。しかし、麻薬組織に雇われた殺し屋シガー(ハビエル・バルデム)がモスの行方を追っていた。さらに、事件を知った保安官(トミー・リー・ジョーンズ)も2人の後を追うのだが…。

ようやく見れた~!コーエン監督の話題作。音楽もほとんど流れず、セリフも最低限。ろくに状況説明もなく、追う男・追われる男の姿がただひたすら映し出される。ストーリーは単純といえば単純なのだけど、その語り口はひねくれているというか、一筋縄でいかないというか…。良い意味でアカデミー作品賞を受賞したのが信じられない。

これぞテキサス!という荒涼とした砂漠、乾いた空気。ペキンパーの「ガルシアの首」の雰囲気にもよく似ていて、それだけでわくわくしてくる。そして、そこに転がる血と砂にまみれた死体。とにかく何人死んだか分からないほど、死体の出てくる映画でもあった。冒頭、殺し屋モスが保安官を後ろから羽交い絞めにするシーンの凄まじさはもちろんだが(あのハビエルの顔!夢に出そう)、どんな残酷な殺害シーンよりも怖かったのは殺害シーンそのものを省略してしまったもの。あの親切な鶏トラックのお爺さん、モスの奥さん…。殺されるシーンは映らなくて、その後何事もなかったかのようにその人だけがいなくなってるor次のシーンへ進んでしまう。その静かな間の恐ろしいこと。シガーが持っていたあのガスボンベだか空気銃だかの武器。あれがまたすごいインパクトだった…。ドアの鍵穴をスッポーン!と打ち抜いていく姿はちょっとトラウマ(笑)

公式サイト
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「ノーカントリー」 No Country for Old Men (07年/アメリカ)
監督・脚本=イーサン&ジョエル・コーエン
出演=トミー・リー・ジョーンズ ハビエル・バルデム ジョシュ・ブローリン ケリー・マクドナルド
by pandarin_0728 | 2008-09-10 20:14 | DVD・映画鑑賞記

『Mr.ウッドコック -史上最悪の体育教師-』

a0021956_22151833.jpgウッドコック(ビリー・ボブ・ソーントン)は情け容赦ない鬼体育教師。ちょっと太めの少年ジョンは、徹底的なシゴキの餌食に。13年後、作家として成功した彼(ショーン・ウィリアム・スコット)は久々に故郷に帰りビックリ仰天。なんとウッドコックは母親(スーザン・サランドン)の恋人になっていたのだった…!

「バッド・サンタ」でも底意地の悪さを見せ付けたビリー・ボブが、今回はそれを上回るほど憎たらしい鬼教師を怪演!無表情で冷静沈着、サディスティックな体育教師役がハマりすぎている。アメリカでも「ジャージに首から提げた笛」は体育教師の基本らしい。

相変わらずの卑劣漢ウッドコックを見て、かつて受けたトラウマが蘇るジョン。同じくウッドコックに恨みのある同級生ネダーマンとともに、母親とウッドコックの仲を引き裂く作戦に出る。ウッドコックの化けの皮を剥がそうとすればするほど、そのとばっちりは全て自分に返ってくる、というトホホな展開。考えてみればいい歳して母親の再婚を阻止しようとするなんて相当なマザコンなのだが、再婚が嫌というより相手がウッドコックなのが嫌なのだよね。同級生ネダーマン役の太めの俳優(イーサン・サプリー)がおバカで面白い!年の離れた弟を子分みたいに年中連れてるのも可笑しいし。日本劇場未公開のわりには、意外と笑える作品だった。

公式サイト(英語)
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「Mr.ウッドコック -史上最悪の体育教師-」 Mr. Woodcock (07年/アメリカ)
監督=クレイグ・ギレスピー
出演=ビリー・ボブ・ソーントン ショーン・ウィリアム・スコット スーザン・サランドン イーサン・サプリー
by pandarin_0728 | 2008-09-02 22:19 | DVD・映画鑑賞記